金曜日の予選を終えて、土曜日は雨か曇りという話が出ていた
モンツァ。天候を気にしながら、迎えた予選二日目である。

早朝のモンツァはひどく冷え込んだが、スーパーバイクの予選が
始まる頃には春の終わりの陽気である。午後一時十五分スタートの
SSの予選は熱気で包まれた。

暖かいどころか暑いと思える天候は予想を超えていたのか、
各チームのライダーがセッションが始まり、しばらくしてから
ピットイン。予想を超える路面温度と集団で走るのを嫌う
ライダーが続々ピットインし、セットアップやタイヤ選定に
忙しく動き回る。

セッション中盤に入ったあたりから、前日にそれほどいいタイム
で走れていないライダーが懸命のアタックに入る。
そして、例のごとく王者がセットアップを決めて、ライバルに
衝撃の一撃を与えるためにコースイン。

ライバルの出鼻をくじく信じられないタイムをたたき出し、
やる気を奪うフランス人はこの日もすぐに最高のタイムを叩き
出す。何と50秒5である。ニューレコードという表示が
全てのチームのラップタイムモニターに映し出される。
これを見てあきれるものが多いがあきれてばかりもいられない。
予選残り時間が少なくなり、ソフトタイヤを使ってアタックを
掛ける。

藤原がホンダパワーと気合で51秒8まで持ってくる。
ティベリオもかなり藤原に近いタイムで走行。昨年のSTK600
で走っている彼も卓越した走りで首脳陣の期待に応える。

さらにハームスのホンダがタイムアップ。シャーペンティエ
のタイムに及ばないものの、自己ベストを更新していく。

残り六分を切ったところで、ロレンツィオーニバイレオーニの
二人がソフトタイアを装着。二人で引っ張り合いながら
のアタックを掛ける。

地元で気合十分。そして、先週のイタリア選手権で1−2
フィニッシュして事前のデータも持っているこの二人が
長いロングストレートを引っ張り合いながら、高速コーナー
をお互いの持ち味を活かしながらの走行である。

ヴィッツィエッロが一発目に出したタイムは51.7。
同時に走行して二周目に出したロッコリが出したタイムが
52秒フラット。見事なタイムであった。

シャーペンティエが王者の走りをして50.5。何かが
無ければ勝利は固いだろうが、二番手に藤原でもヤマハ
ジャーマニーでもなくヴィッツィエッロが来たのは驚きかも
しれないが、評価できる。見事なアタックであった。

三番手に藤原、四番手にカーテン。
二列目にロッコリ、ハームス、ソフオグル、ティベリオ。
ルギュエル、スティゲフェルトというトップテン。

カワサキ勢はまだやることが多く後方に沈み、ドゥカティは
不発であった。

決勝はいつものような予定調和になるのか、昨年のような
展開になるのか。天気予報は晴れ。シャーペンティエの
瞳はいつものように澄み渡っているように見える。

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