岐阜と福岡の五万ドルの大会で走りまわり、自分のミスに
腹を立てて、汚い言葉をイタリア語で吐きまくっていた
フラヴィア・ペンネッタと昨年、イタリアのモデナの大会で
再会しました。

岐阜であったときは187位。それが成長と上昇が見事に
重なりあって、再び会った時は24位。ブリンディジなまりを
感じさせないきれいなイタリア語で私の相手をしてくれました。

モデナの新設大会に出場するというのは、この大会の賞金総額や
獲得ポイントと当時の彼女のランキングからすると何やら
そぐわないような気がしたのですが、色々な
しがらみやらお付き合いやらあってのことなのでしょう。
参戦することになっていた彼女と話していて、日本の大会の
話になりました。

私が『日本に来ることはあるの。』と話すと、『うーん、
どうかな。行くかもしれないし、行かないかもしれない。』

『秋に東京のハードコートに来る可能性はあるとも言えるし
ないとも言えるんだ。』と言うと、

『いや、そっちじゃなくて、年明けのインドアの方。』
という返答で、さらに、

『でも、たった一週間だけプレイするのにヨーロッパから
出かけるというのもねぇ。何せ遠いし。』という彼女。

遠いというのがリアルにわかる私はそうだよなぁと
改めて実感しましたね。

オーストラリアから東京というスケジュールを組める人は
いいのでしょうが、メルボルンの一週目で終わってしまった
人は大体、本国に戻るか、ベースとしている国に帰る。
となると、ヨーロッパから東レのために出かけるとなると
難しいだろうなと思いますね。

また、ヨーロッパのクレーシーズンのように、近場の国で
同じサーフェースで、グレードの高い大会と中規模、
あるいはチャレンジャーの大会がいくらかあれば移動も
しやすいし、スケジュールも組みやすい。しかしながら
東京体育館の賞金、ツアーポイントの大きな大会の翌週の
アジアの国でのトーナメントは賞金総額が十分の一の
タイであり、その翌週がインドになります。
トップ30クラスのプレイヤーにとっては勝って当たり前
で落とすとえらい目にあうというリスクの大きい大会
参加になるので、トップ50以降のプレイヤーが
顔を揃えて戦うということになりますね。

勝つことしか考えていないはずの彼女ですが、一週間の強豪
揃いの大会のために極東の島国に出かけるのは
躊躇する彼女の気持ちはよくわかります。

同時に、日本から出かけるしんどさや苦労というのも
わかりますね。かつての伊達公子の引退というのは
ツアー環境のことが一因になっていましたが、
日本という国に基地を作って、そこから世界を周るというのは
かなり大変だと思います。

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