ボルグにマッケンロー、エドベリにベッカー。
ナンバーワンが飛びぬけてわが道を行くより、プレースタイル、
キャラクター、民族、国籍が異なるレベルの近いプレイヤーが
いるほうが見ていて楽しいし、違うものが交わることで
発生する作用が極めてインタレスティングだったりします。

年に片手で数えるほどしか負けない帝王フェデラーが
オイルマネーで潤う大会の決勝で現在、一番近い場所にいる
スペイン人の挑戦を受けました。そして、トータルポイントでは
7ポイント多く獲得しているにも関わらず、勝者はスペイン人の
方でした。

フェデラーに対してこれでトータル三勝一敗。昨年の
ローランギャロに続いての勝利ということになり、
彼が得た自信というのは相当なものでしょうし、他の
プレイヤーも、完全無欠のスイス人にも負けることは
ありえるという抱いていた大きくなっていた偶像が
破壊されることをこの試合は意味するのかもしれません。

スイス人とスペイン人。ライトハンダーとレフトハンダー、
冷静なプレイヤーとホットなファイター。類似点よりも
差異が際立つ二人のプレイヤーが成長と発達を果たして、
高いレベルで戦うときにかつてのボルグとマッケンロー、
エドベリとベッカーのような世界のテニスファンを揺るがす
美しいオペラが奏でられるのでしょう。

ナダルは自らタクトを振って上演する権利は大いにあると
思います。

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