レース界でチェカという名前を聞くとすぐに思い出すのが
カルロス・チェカでしょうが、彼には弟がいます。
ダヴィデ・チェカ。スーパースポート世界選手権を戦った
後、グランプリの250を戦い、残念ながら浪人生活を
強いられた日々の中でも希望を失わずにトレーニングと
就職活動を行った彼は耐久レースの世界でヤマハR1を駆って
ボルドー24時間レースを制するなど活躍を見せました。

二年前の鈴鹿の八耐で再会し、昨年のヴァレンシアやマニクール
で元気な姿を見せ、そして、MotoGPで負傷したライダーの代役
を勤めた彼がスーパースポート世界選手権への参戦を決めて
発表になったときにとてもうれしい気持ちでいっぱいに
なりました。

気さくで私の質問にも丁寧に答えてくれて、多くのテクニカル
スポンサーへの配慮を忘れないこのスペイン人の06年
シーズンはどうなるのか、テストの様子などを目にしながら
楽しみにしていました。

しかし、力が入りすぎることや闘争心が気負いを生むこと
があったのでしょうか。今の彼に来週のカタールへ行く
エアチケットは存在しません。クリストフ・ギヨは
はっきり言明しています。テストで手首を怪我した
ライダーはカタールでは走らないことを。

回り道しながら再びスプリントの世界選手権で走れることに
なった彼にはまたしてもある種の試練が待ち受けていました。
しかし、それは彼ならば甘受しつつ、サーキットに戻ってくる
最善の方法と最短の療法をしっていることでしょう。

ダヴィデ。私は君と共にサーキットにいる時間が好きなんだ。
ピレリのスタッフやGMT94の連中と時にシビアに時に
くだらないことを言いながら色々なことを感じたり、
考えたり、得たりする機会が楽しいんだ。
私だけじゃなく、多くの人たちが、色々な立場の方々が
君がスーツやカジュアルな格好ではなく、グローブと
ヘルメットを持ってサーキットにやって来る時を待っている。
焦らずに、そしてあわてずに、そしてできることの最大限の
最速のことをして手首を治してくれ。君ならできる。
そして、共に喜びを味わおうじゃないか。

ナンネッリやシャーペンティエのように初めて世界格式で
勝つのが若くなくてもいいし、ライダーやレースが一般消
費者やファンと身近な関係にあるスーパースポートという
クラスで君が成功したらどれだけの人が喜ぶか、
私はよく理解しているよ。

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