三月に決算を迎える会社は数字が出ていないとなると
株主やスポンサーのために数字を出さないといけない。
そう考えている人たちでレコード会社にお勤めの方は
売り上げが見込めるベスト盤を出して販売することを
考えますね。

理由がどうあれ、いいものが市場に流れて、好きな人や
いいなと思った人が購入することはいいことだと思うの
ですが、例年、たくさんのベスト盤が出るこの時期に
ちょっとなぁと思える作品が存在するのも事実です。
今回は中森明菜のベスト盤について考えてみました。

彼女のいわゆるシングルヒットを数多く集めて、
同時に最近のシングルをくっつけたラインナップに
なっているこの作品ですが、彼女のメガヒットとなった
作品がオリジナルではなく、ヴァージョン違いの
曲が多く収録されています。

このことについては、賛否両論あることでしょう。
彼女は今までベスト盤を出したこともあるし、シングル
がヒットさせていて作品が出たら買うというファンは
オリジナルをCDシングルで持っているという人も
多いので、違った化粧を加えて、違った顔を作ろうという
実験をしたとも思えますし、製作側が漫然とオリジナルを
並べるのをよしとせずに、ひねったことをやろうとか
作り手や作り手をサポートするメンバーが新しいことを
しようと考えたとも想像できます。

しかし、作品を聞いてみて、今二つ感を感じましたね。
どうも何だか変にいじりすぎた気がしました。
これだったらオリジナルの方がいいとか、ライブの
音源があったら、そっちの方がいいのではないかと
思いましたね。

表現者というのは欲張りで色々なことを考えてやりたがったり、
キャリアを通じて同じ声量や声質をキープできる人もいれば
変化を求めて、変わって言ったり、成長していったり
してオリジナルな姿から変質していったりするのでしょうが、
正直、このベスト盤における中森明菜の冒険や実験は
私には受け入れられないものでした。

やりたいことや考えていることというのはすごくよく
わかりますけどね。

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