ロッシ2クラスエントリーの話のその後は

ヴァレンティーノ・ロッシが二つのカテゴリーに出走して
両方のタイトルを取ってほしいと思う人がいて、かつて
その偉業を達成したフレディ・スペンサーが『彼ならできる』と
話をしたので、昨年のある時期、ダブルエントリー
ダブルタイトル希望論というのがイタリアのメディアを中心に
ながれていました。

今日のMotoGPの世界では一日に三クラスレースが行われて
います。一番近い時期では若井が125で走っていた時期に
250のライダーの怪我のために急遽125と250の
ダブルエントリーと出走をしたことがあります。また、
現在イタリア選手権のチームマネージャーであるガブリエーレ・
デッビアもライダー時代やはり125と250のダブル
エントリーをしたことがありました。

しかしながら、21世紀に入ってからは見たことがないですね。
昨年のスーパーバイク世界選手権のモンツァでジャンルカ・
ナンネッリがSBK2レース、SS1レースというハードスケジュール
をこなしたり、シルバーストーンでロッコリがR1でSBK2レース、
STK10001レースをやったことがありました。

技術的にヴァレンティーノだったらできるとかつての
ワールドチャンピオンのスペンサーは話しました。このことに
私は異論はありません。しかしながら周囲の状況がそれを
許さないような気がします。

かつためにMotoGPクラスに参戦し、勝利を常に求めている
ヴァレンティーノはミシュランタイヤと密接な関係に
あります。しかし、今日フランスのタイヤメーカーは
250で活動をしていません。250でダンロップのタイヤ
を使って勝つことにクレルモンフェランの本社がOKを出すでしょうか。

さらにヤマハは現在、競争力のある250のファクトリー
マシンを供給していません。勝てる250のマシンは
ホンダかアプリリア（あるいはジレラ）ということに
なりますがヤマハが250でアプリリアで走ることに
許可を出すとは思えません。

DORNAやIRTAサイドからすると、片方のクラスで圧倒的に
勝ったとしても、もうひとつのクラスで弱みを見せると
なるといい顔をしないでしょう。

そう考えるとライダーの力量以外の部分でネガティブな
要素が大きすぎるという結論にたどり着きます。