圧倒的なリアリティ。ヴァレンタインというタイミングで
この作品を出す戦術。そして彼女のせつなさと清らかさを
感じさせる歌声。チョコレートはどうしようかとか今年は
14日に本命、義理コミコミでどれだけもらえるのだろうか
と考えている連中の頭にローキックを見せておいて、
高速のハイキックを見舞うような作品を世間に届けたのが
今回の『サヨナラサヨナラ』ではないでしょうか。

この美しい曲調に乗って潤いを感じさせる彼女の声が
最高級のパスタとソースのようなミクスチャーを見せ、
そこにリアルな体験を下にしたのではないか、あるいは
この人は私小説を書く才能があるのではないかと思わせる
歌詞が残酷で美しく醜い状況を描いて素晴らしい作品と
なっています。

このヴァレンタインという世間が浮かれて、踊らされる
時期にこの作品を世に問う彼女の菓子業界などには
目を向けない美しいギャンブルに私は支持を表明します。

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