フェデラー 10

 完全無敵のフェデラーエキスプレスが急停車することなく
オーストラリアの二週間を駆け抜けた。本来の調子でないとき
でも自分の穴を補正する武器を考えたり、作戦やプレイプランを
変更したりして、最高潮でないときでも自分の渦を作って
試合を運ぶのは立派。次のパリで四大大会四連続制覇なるか。

バグダティス 9.5

 ステパネク戦という関門を乗り越えて、ロディック、
リュビチッチ、ナルバディアンとトップテンプレイヤーを
三人立て続けて破っての決勝進出は立派。リアル全力少年
であるパリのキプロス人のファイティングスピリットに
しびれた二週間だった。

キーファー 8.5

 見事な復調振りを見せてのセミファイナル進出。
それもタフマッチを切り抜けてのラスト4入りに苦しみから
這い上がってきた男の強さとゲルマン的な固さを見た。

ナルバディアン 8

 勝たなければいけないセミファイナルで、それも2セット
アップからひっくり返されたのは相手の強さもあるが
彼自身に足りないものがあるはず。酷な言い方だが、
これではフェデラーを止められない。QFまでの勝ち方と
SFでの負け方でこの点数。

サントロ 8

 グランドスラム大会54大会目にして初めてのQF進出。
あきらめが悪いことが美しいことであることを教えてくれた
彼であった。

リュビチッチ 7.5

 確かに強いし、上手いが何かが足らずに主役になれなかった
彼であった。欲や野望が薄いのだろうか。それとも人が
いいのだろうか。

モーレズモ 10

見事な勝ち上がりと試合内容。相手の怪我で得た勝利も
多かったが、世界のトップに行く人というのはよほど怪我が
ひどかったり、試合において相手との差を感じなければ
続けるわけでモーレズモが相手にあきらめさせるだけの
プレイを確実にしていたと言える。チャンピオンにふさわしい
内容であった。

エナン 8.5

肩の痛み止めを飲みながらのメルボルンでのバトル。
シャラポワを破ったまではよかったが、最後に体が
根をあげてしまった。そんなフィジカルコンディションの
中、シャラポワとやろうとして、勝ってしまうのは立派の
一言。ハードなトレーニングと稽古が彼女をここまで
のプレイヤーにしたのだろうが、ひょっとしたら、そんな
タフな練習ぶりが彼女を磨耗してしまっている気がする。

クリシュテルス 8

努力と根性の人だが、体が彼女の気持ちに応えることが
できずに棄権で最終日を待つことなく終わった。
エナン同様、彼女を精神的にも肉体的にもケアしてあげる
スタッフや専門家の存在や特にやりたい気持ちをなだめる
トレーナーが必要だと思う。でも疲れていても、完調で
なくてもやりたいとか、負けたくないといいそうな人で
あり、そういったスピリッツが彼女の持ち味であるだけに
そんな彼女に休ませる勇気を進言するのは難しかったり
するのでしょう。

シャラポワ 8

十分可能性があったが、エナンのガッツとバックハンドに
破れてしまった。また宿題が増えたメルボルンだった。

ヒンギス 7

見事な復帰、そしてプレイ内容。強かったころの彼女が
戻ってきた。しかし、ハードコートでハードヒッターや
ファーストコートプレイヤーと当たると弱みを露呈して
しまう姿もこれまた事実。頭のいい彼女のことなので
何をどうするかすでにプログラミングしているはず。
そのプログラムが本人が思い描くように機能したときに
彼女の思っている最高のプレイができるはず。

コメント