テニスの世界ではラケットやテニスシューズ、ウェアの
進化というのは各社の研究開発と同業者間の競争の激しさ
からどんどん進んでいます。ニューラケットを買う時の
チョイスにみんな悩みますね。

しかし、トッププレイヤーの中では同じモデルを延々使い
続ける人がいます。

コントロール性能やパワー、ウェイトなど、どんどん進化する
にも関わらず、長年使いなれたラケットをずっと使う人が
いますね。

私が印象に残っているのは、かつてのジミー・コナーズ、
そして、ステファン・エドベリでした。

かつてのコナーズは84年に長年使っていたウィルソン
T2000というすでに製品がなくなり、70年代にテニスを
していた人しか持っていなかったようなモデルをずっと
使った後にウィルソンプロスタッフに変更しましたが、
これがしっくりこなかったために再び、骨董品とも
呼べるモデルに変更して、しばらく戦っていました。

エドベリという人はずっとウィルソンプロスタッフを
使っていましたね。でもって、彼の現役時代は彼の
美しいプレイスタイルと日本人の女性にもてるであろう
容姿で大変日本で人気があり、彼というカードを有すること
ができたら日本の市場で販売上有利になるであろうと
考えたミズノが交渉したこともあったらしく、彼は
インタビューでテストモデルを使って試したことも
あったとテニスマガジンのインタビューで答えていました。

パワーやコントロール性能など、進化が進んでいる最新
モデルよりも自らの五感にぴったりフィットした製品を
彼らは選び、世界のトップの大会で活躍して、ほぼ、ひとつ
の製品で現役生活を過ごして、自分の才能を発揮して、
成績を収めてきました。

いくら道具が良くても、本人が長年なじんだものを変える
リスクを拒否したり、体の一部になっているような印象の
モノを変更することにある種の嫌悪感さえ存在したような
印象がこの二人から感じ取れます。

同じような印象をレースの世界で抱くのが芳賀ですね。
ずっとアライヘルメット。そして、この私のブログの愛読者
でもいらっしゃる芳賀君のマネージャーの荒木さんと
お話しする機会を得たときにおっしゃっていたのが、
身にまとうもの、つけるものに対して、この最もファンキー
な名古屋人はこだわりと執着が強く、色々な意味で進化
した最新モデルの製品より、今まで彼のキャリアで使い
続けて、正に体の一部となっているようなモデルを
使っているということでした。

きっと、コナーズ、エドベリ、芳賀。ある意味妥協を許さず
研ぎ澄まされた感性の持ち主である気がします。

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