ヴァーミューレンの圧勝に納得しながら速さにあきれていた
連中はどんな策を練って、第二レースに臨むのか、誰が
彼を止めるのかが焦点となった午後三時半スタートのレース。

スタートしてすぐにピットとムジェリッジがぶつかり、スタート
直後のおしあいへし合いで想定外の動きを見せた彼らをよけき
れずマーティン、ブセイ、ドゥコスタの三人がまき沿いになり
ながら一コーナー先のグラベルへ。

部品が散らばり、倒れているライダーを尻目に他のライダーが
走っていくが、彼らにすぐに赤旗が提示された。

久しぶりに集団でヴァイオレントなクラッシュを見てしまった
レースファンである。

幸いなことに命に関わるようなことにはならず、救急活動が
迅速に行われ、ブセイとムジェリッジはネヴェールの病院に、
他の三人は再開されるレースに出走することになった。

四時二分スタートというアナウンスメントが出されて、
準備に掛かるライダー、メカニック、チームスタッフ。

再びグリッドに着いて、レーススタートとなった。

今回は大きな混乱はなくきれいに1コーナーをクリアしていく。
ダッシュを決めたのはポールスタートのヴァーミューレン。
続いて、加賀山、ランツィ、芳賀、トーズランド、ウォーカー
といった連中が続いていく。

第一レースの展開から見て、加賀山が勝つとしたら、スタートを
決めて、ヴァーミューレンと競り合い、彼にワンアンドオンリー
で走らせずにつばぜり合いに持ち込むと読んでいたが、彼は
それができずにヴァーミューレンが先頭でレースは進んでいく。

このオージーの走りに必死になってついていったのは、ランツィ
で加賀山をパスして二番手につくと、序盤からハイペースの
展開でヴァーミューレンとの競り合いとなった。

トップ争いがオージーとイタリア人で行われている後方では
加賀山と芳賀の三位争い。そして、その後方では16番グリッド
からいいスタートを切ったコーサーが徐々に順位をあげていき、
トーズランド、ウォーカーとピットといったあたりとバトルを
しながら順位を上げていった。

熾烈な争いをするトップグループと三位争い。このまま終盤に
もつれてどんなドラマが待っているのか、どんな戦いになるのか
と固唾を飲んで見守っていたファンと関係者に写ったのは、
最終コーナーからレーシングスピードとはほど遠いスピード
で直線を走るウィンストンカラーのファイアブレードで
あった。

ヴァーミューレンは直線の終わりでピットウォールの方に
マシンを寄せてリタイア。ここでのダブルウィンはマシン
トラブルという形で終わってしまった。

これで楽になったランツィは優雅なサンデークルージング状態。
後方の芳賀、加賀山とは十分なマージンがあり、タイム差を
見ながら九割の力でラップを刻んでいく。

一方、二位争いとなった芳賀と加賀山の争いは白熱し、
お互いが少しでも隙を見せれば攻撃する姿勢を見せる熱い
ものであった。

このレース2でのランツィはまさにヴァーミューレンが
いなくなってからアンタッチャブルでワークスマシンを
貸与したドゥカティ首脳陣の期待に応える走り。ラコニが
走れず、トーズランドが優勝争いに絡めない中、ボローニャ
のメーカーの希望を見事に応えた素晴らしい優勝であった。

二位争いは終盤になり、ラップタイムが低下した芳賀をよう
やく加賀山が引き離して決着、三位は結果は満足できないが
激しいバトルを楽しめた芳賀のものとなった。

四位にはコーサーが入り、五位にウォーカー、以下トーズランド
ピット、ノイキルフナー、阿部、キリというトップ10であった。

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