私がかつて住んだ町リミニから12キロほどにあるサーキット。
ミザノアドレアティコ。ここがイタリア選手権最終戦の舞台
である。

125、STK1000,SS,SBKのすべてのクラスのタイトルがここで
決まる。そんなイタリア最速王決定戦の場にいられる私は幸せ
だと思う。

金曜日はフリープラクティスのみ、土曜日は予選というスケ
ジュールで進み、日曜の決勝に。日曜日の朝というのはマレ
ーシアでは昼ということで、各チームのホスピタリティや
ピットではMotoGPの放送を見ていました。

私も125のアブルッツォジュニアチームでマウロとサン
ドラのノッチョリ夫妻と共にテレビで観戦。
96、97年ロッシと共に125を戦い、98年はカピロッシ
と共に250をやっていたノッチョリはMotoGPの優勝がカピ
ロッシで二位がロッシでタイトル決定ということに満足して
いました。
(本当はこの人はイタリア選手権とスペイン選手権でお茶を
濁して過ごす人ではないと思うのですが、今年はこういう
形でのアクティビティになっていました。)

さて、レースである。125はタイトルに王手を掛けて
好調のグロツキィジョルジだが、タイトル争いのライバルの
バローニ、そして今回マラグーティで走っているペリーノが
逃げを打つ中、何とオープニングラップを10位で帰ってきた。

これでかなりバローニは楽になったのだが、ペリーノの
マラグーティは今回素晴らしい仕上がりを見せて、なかなか前に
出られずに終始二位での走行になる。

そうこうしているうちに序盤のミスを素晴らしい走りで
グロツキィジョルジが挽回し、トップグループに入ってきた。

ポイント差から考えて、バローニは優勝して、なおかつ
グロツキィジョルジが中団以降に埋もれる必要性があったの
だが、コンティ、パルンボといったライダーが優勝争いに
絡めず、四位以降が中盤以降離れる展開となった。

結局、少々後半もたついたもののペリーノが優勝。
最終ラップ、バローニとグロツキィジョルジが接触し、
あわやと思わせたものほぼ同時にチェッカーを受けた。

当初の記録ではバローニが上回ったもの、フォトフィニッシュで
コンマ一秒差でグロツキィジョルジが先行し、三位にバローニ
となった。

ウクライナがオリジンで、ラヴェンナに住むあどけない若者が
こうしてタイトルを決定した。

STK1000

マッシモ・ロッコリがアレッサンドロ・ポリータにどうやって
戦いを挑み、9点のビハインドを跳ね返し、タイトルを奪う
かが焦点だったこのレースであるが、この日、そしてこの週
のポリータのチェラーニスズキのリッターバイクは他者を
よせつけずに優勝。一方のロッコリは予選もぱっとせずに
ポリータのサンデークルージングでタイトルを優勝で決めた。

supersport

予選、決勝ともかつて世界選手権のSSレギュラーであり、
アプリリアのSBKの経験のあるアレッサンドロ・アントネッロが
支配。オープニングラップからライバルを突き放しての
圧勝であった。

19ポイントのリードを持っているシモーネ・サンナは無理を
することなく、自分のタイムペースで周回。二位争いの
マリオッティニ、ゴイ、そこから離れてカネパ、ジュウゴバス、
サンナが四位争いであったが、さしたる波乱はなく、
前を目指さすポイントを計算しながらの走り。
結局ライバルを先に行かせてチェッカー。六位でタイトル
を決めた。

SBK

ここに来るまでのランクでポイントトップはドゥカティに
ダンロップタイヤというパッケージングのブリニョーラ。
しかし、最終戦は各チームの近い将来の思惑などもあり、
PSG1カワサキがフォンシ・二エトとマウロ・サンキーニが
急遽参戦を決め、彼らの存在と戦いぶりによってレース展開
が微妙なものになることは自明の理となった。

予選トップは驚愕の一発のタイムでヤマハR1のグラミーニ。
このタイムが一発だけのタイムなのか、あるいはこのラップ
タイムを決勝でもライバルに見せ付けることができるのかが
ポイントだったレースであり、ポイントリーダーのブリニョーラ
にとっては、直接タイトル争いに関係のないこのグラミーニが
勝つことはウェルカムであったはずである。

レースがスタートし、先行したのはヴィッツィエッロ。来季
の動向が不透明な彼はいいところを見せようと懸命のアタック
で周を追うごとにリードを築く。

二位争いがぺデルチーニ、グラミーニ、ブリニョーラという
展開。タイトルを獲るために勝利が欲しいぺデルチーニと
ボルチャーニであるが、トップ快走のヴィッツィエッロは
遠く、ぺデルチーニは二位争いのトップを走り、ボルチャーニ
は中団に沈んでいる。

ヴィッツィエッロは高いレベルのラップタイムを終始キープ。
二位争いは中盤ミスを犯したグラミーニが下げて、その彼に
二エトが近づいていく。

この日のロレンツリオーニバイレオーニのR1は完璧でヴィッツィ
エッロはマシンが完璧ならライダーの能力を発揮できることを
証明して快勝であった。

二位争いはぺデルチーニが制し、三位には中団からよく追い上げたニエトがカワサキ初ライドで食い込んだ。
最後にニエトに抜かれたブリニョーラが四位となり、タイトル
を決定した。

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