世界チャンプのロッシが珍しくミスを犯して、メランドリに
ぶつかって巻きぞいにしてリタイアしたライディングに対して
ホンダが抗議を行いました。

この一件に関して、ロッシ本人は自らのエラーは認めたものの
抗議に関してはスポーツライクではないとホンダの対応に批判的
でした。

まぁ、色々なことを考えさせられた事件でしたね。

昨年のカタールでのこともそうですが、ロッシという
王者をヤマハという同業他社であり、歴史的に長い間ライバル
として見ているメーカーで圧倒的な強さで走られてしまって
いる現今に対して焦りを感じているから、あの90度コーナー
でのエラーに対して抗議を出したのではないか。

自分のメーカーのライダーが勝てるチャンスがあったのに、
それをライバルメーカーのエースであるロッシのらしくない
ミスで勝つチャンスを失ったのはおろか、自分たちのライダー
が結構大きな怪我を負ってしまったのに何も言わない、しない
ということはマイナスであると考えたのではないか。

ロッシの走りが危険な行為であるということが認定されて
次戦以降走れないレースが出れば、自分たちのチームの
ライダーが勝てる可能性が高まるのではないか。

出会いの後、別れがあったが、色々なビジネス的な軋轢や
問題で単純にホンダの人たちの中にロッシ嫌いが渦巻いて
いるのではないか。

ぶつけられた側のライダーのメランドリは『レーシング
アクシデントだ』と話しているし、チームの代表のファウスト・
グレシーニは元ライダーで世界チャンプになったような
技術と戦術を持っている人なので今回の一件に関して割りに
冷静に見ていますが、ホンダの抗議というのは、かなりの
熱さを感じるものでした。

SBKとSSを見ている私としては、今年の五月にイタリア選手権の
モンツァにチームメガバイクのファビアン・フォレが出場
して、優勝し、同じサーキットで翌週に開催された世界選手権の
レースに出ようとして、他のチームやメーカーは何も言わなか
ったのですが、ヤマハジャーマニーだけが、規約に違反して
いると抗議して、結局フォレは金曜の朝のウォームアップで
エンジンに火が入った状態で乗り込む直前に乗れずに時を
過ごし、さらに午後の一回目の予選でもマテリアルの準備は
整ったのに出走できずにフランスに帰ったということがありました。

スズキ、カワサキ、ドゥカティといったメーカーやこれらの
マシンを使って出走しているチームがホンダユーザーチーム
に対して何もしなかったこととヤマハジャーマニーが行った
抗議には大きな開きがあり、ここにホンダとヤマハの激しい
ライバル意識や対立を感じましたね。モンツァ、もてぎともに
その二大バイクメーカーの緊張関係がもたらしたことである
と思います。

まぁ、私の推察のうち、どれが当てはまり、どれが外れている
のかわかりませんが、私は今回のロッシのミスがいけないので
あれば、ドイツでのスタートしてからすぐのMotoGPクラスの
クラッシュなども机上に載せて議論するべきであると思います。

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