意外さと必然さが交じり合った125ccと250cc
のレース。まぁ、これもレースだと言って消化しなければ
いけないもので、こういったこともレースの世界はあるのだと
改めて知った決勝日であった。

125

いかにも最小排気量クラスらしい集団でのバトルとなった
このクラス。トップグループで走っていたら誰が勝っても
誰がこのグループの最後位になっておかしくないレース展開
となった。

タイトルを狙うライダーが一番犯していけないのがノーポイント
レースであり、ライダー自身によるクラッシュであるが、
それをやってしまったのがシモンチェッリ、そしてキャリア初の
PPスタートのタルマッチであった。
この二人は再スタートをすることなくヘルメットを脱いでしまった。

トップ集団はカリオ、ファウベル、小山、パジーニ、ポッジャーリ、ガデア、二エトという元気いっぱいで血気盛んな連中
で構成された。

タルマッチ、シモンチェッリという優勝を狙えたライダーが
消えたことは彼らにとって好都合で誰もが終盤に向けて
戦略を練り、道具のよしあしやライバルの走りを見ながら、
後半に向けて動いていた。

そんな中で、起きたのが最終コーナーで僅かにはらんでしまって
トーマシュ・ルティのクラッシュであった。マシンが横転し、
何とか後方のライダーは避けていったのだが、ガデアがスイス
人の足をかすかに轢いてしまい、さらにマシンにぶつかり
クラッシュ。二台のマシンの破片が散らばったメインストレート
の状況から赤旗中断となり、レース成立となった。

レース結果はこのクラッシュのある前の周回における
コントロールライン通過時によるもので確定した。

素直に喜べない優勝者のカリオ、足を轢かれてすぐさま診断を
受けているルティは姿を現さず、三位がファウベルとなり、
二人だけが表彰台でトロフィーを受け取った。

四位が小山、五位にパジーニ、以下ポッジャーリ、ガデア
二エト、バウティスタ、ライのトップ10であった。

250

地元で勝つということがいかにお客さんをヒートさせて、
エクスタシーを与えることかムジェッロでロッシが勝った時に
味わったが、日本のおとなしいお客さんもイタリアほどでは
ないがそれを感じた日曜の午後であった。

いいスタートを切ったポールシッターの青山博一。それを追いか
けるのが青山周平にデアンジェリス、ロレンツォといった
あたりであったが、今回注目されていて、BSタイヤの能力
から優勝の可能性もあがっていた青山周平は気負いすぎたのか
リタイヤして戦線を離れてしまった。

レース中盤になり、青山博一は好調さを維持し、リードを広げ
ようとし、それを実行に移す。ライバルは追いかけたいが、
なかなかペースを上げられず、徐々にトップ集団が縦長に
なっていく。

予選二番手で好調だったロレンツォであったが、前を追いかける
より、むしろ自分の目いっぱいのタイムを出すが、トップを
キャッチできずにデアンジェリスとの二位争いとなる。

セーフティマージンを築いた青山は背後を脅かされること
なくチェッカーフラッグを受けて初優勝をもてぎで達成した。

二番手争いはロレンツォとデアンジェリスであったが、
ロレンツォが転倒してしまい、明らかなもらい事故でサンマリノ人もクラッシュ。二位はその後ろを走っていたペドロサが
おいしいプレゼントをいただいた形になり、タイトル争い
を有利にする20点をもらった。

三位にはストーナー、以下、高橋、ドゥピュニエ、ドヴィツィ
オーゾ、再スタートしたデアンジェリス、バルベラ、デボン、
ギュントリというトップ10であった。

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