アメリカのプロレス団体であり、世界で事業規模としては
一番のWWEが現在日本で大会を開いています。

私は現場で見たことはないのですが、アメリカという国の
大きさとかあの国ならではの多様性に対するアジャストと
いうものを感じますね。

WWEというのはハリウッド映画であると私は考えている
のですが、言語が英語だけで成り立っているわけでもなく、
多くの民族が集まってできている国において、多くの予算を
使ってわかりやすく肉体言語と映像を使って試合をあおる
ビデオを作製し、これを流す。そして、彼らの思う格好いい
レスラーを用意して(これがまぁ、筋骨隆々のヘビー級で
白人であることが多いのですが)汚い反則攻撃をする悪役
に耐えて観客や会場のヒートが沸点に到達してから反撃
していく。また、ディーバと呼ばれるリングを彩る女性
レスラーというのはきわどい水着を着て、ナイスバディを
見せ付ける。

格闘技の部分のガチンコ性を薄めてアメリカの客やテレビ視聴者
に対して必要とされるエンターテイメント性を付加させて、
さらに主役や脇役、善玉、悪玉レスラーのためにサイドスト
ーリーを加えて演じていくというのは見る前にわかりやすさ
を提供しています。

実際の世界経済や国際政治において、かつてのソ連という
わかりやすい敵がいなくなった今日、白と黒をはっきり
わかれさせて、ヘビー級の人間がぶつかりあい、ストレス
を発散させたり、楽しむことができるのがWWEのプロレス
である気がします。

ウィンブルドンの女子の決勝を見ていて、同じアメリカ人
同士だし、どちらかが飛びぬけて強いわけでもないし、
芝生のプレイだと長いラリーが多くならないしということで
興味を持てない人はヨーロッパの大陸側では多かった気が
しますが、そう考えるとスポーツが興行とかエンタメと
いう括りで考えられるならば、違ったカラーのプレイスタイル、
異なる国籍や民族、年齢や背景が違うと見る側にとって
どちらかのプレイヤーに感情移入しやすくて、視聴率も
伸びる気がしますね。

まぁ、私はWWEの色々な意味での
パワーを感じますが、あんなナチュラルさを感じさせない
肉体(男子のレスラーもディーバのお姉ちゃんも)での
ぶつかり合いを見るよりか、ブラジル人対日本人や
ロシア人対クロアチア人のキャラクターの立ったもの同士の
真剣勝負を見るほうが楽しいのですね。真剣勝負の中に
エンタメのレスリングにある分かりやすさを同時に感じる
こともできますからね。

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