私がずっと前から愛読している記事をテニスマガジンなどで
書かれていらっしゃるのがスポーツライターの武田薫氏です。

テニスという競技からプレイヤーの内面や日本という国、
世界を見つめ、そこから武田氏の視点で書かれた記事に
色々考えさせられることが多く、テニスマガジンでの
記事などは伊達、松岡の頃から現在に至るまで読んで育ち
ました。

その武田氏がフジテレビのHPでコラムを書いています。
これは無料で読むことができるのですが、彼は最近、
市民参加の東京でのマラソンということについて二回に
わけて言及されています。

http://www.fujitv.co.jp/sports/column2/kt_05/kt0329.html

確かに人口が多いということは、市民ランナーの数も多く
なりますし、東京で行われるマラソンというといわゆる
競技としてのマラソンばかりだなと思いましたね。
ほかのヨーロッパの国々で行われるような市民ランナーが
走るフルマラソンというのは行われず、東京、東京圏、
大阪、名古屋といった200万人を超える都市の市民ランナー
がフルマラソンをするとなると、ハワイやグアムといった
それほど遠くない外国か日本の地方で走ることが多い
と思います。

走りたくても自分の住んでいる町、勤めている町でフルマラソン
がないというのは不健康な状態である気がします。

ただ、そう思う一方で、思い出したのが横浜の商工会議所
あたりが横浜の町おこしとして、みなとみらいで市街地
サーキットを作ってF1を誘致しようとした動きがあり
ました。

この計画というのは色々シュミレーションを行い、観客の
宿泊や飲食、横浜や周辺エリアへの経済波及効果など大きな
影響があるということがわかり、乗り気になった横浜人
の経済人、役人もいたようでした。

ただ、この計画はある程度のところで頓挫して、横浜
ストリートレーストラックは幻に終わりました。

レースというのは金曜、土曜にフリー走行と予選があり、
日曜日に決勝が行われますが、まず水曜日あたりから各
メーカー、チームが準備に入ります。そして、日曜日
にレースが終わり、最終的に片付くのは日曜の夜に
なります。

そんな日程があるF1の一レースのために週の真ん中から
日曜日まで公共の道路をふさいでレースをやるということ
に税金が使われてしまうということ。そして、観客数がどれ
だけなのか不透明ですが、レースのために救急病院に
運ばれる患者や消防車が迂回したり、遠くの病院に運ばれたり、
急いで問題が起きた現場に行くのに時間がかかったりするの
が大きな問題であるということになり、結局横浜の財界
グループ、役人はこの計画を白紙にしたということがあり
ました。

東京でもし市民マラソンをやるとなったときに同じような
ことが懸念される材料になる気がしますね。

フルマラソンを市民ランナーが走るのに三時間のラインを
ぶち破り二時間台で走るというのはかなり難しいことで
しょうし、多くのランナーがおそらく五時間、六時間で
走ることになるでしょう。東京というコマーシャルな
大都市で都市機能をストップさせて交通規制して
走るのが好きな人のために道路を占有させるというのは
かなり難しい気がする私です。東証のまわりや霞ヶ関
と大手町といった日曜にがらんとしているエリアばかりを
走るのは可能かなと思ったりしますが。

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