昨年までのミハエル・シューマッハーとフェッラーリ、
おととしまでのヴァレンティーノ・ロッシとホンダV5。
そんな強すぎる人とマシンの関係性を感じるのが、
日本ダービーにおける武豊とディープインパクトでした。
単勝支持率が七割を超えて、配当が110円なんて言うのは
多くの競馬ファンが圧倒的な強さと速さを信じきっている
からなのでしょうが、その競馬ファンの理解を裏切らず、
穴狙いの馬券おやじたちを喜ばすことなくすさまじい
強さと速さでぶっちぎりの勝利を奪い二冠馬となりました。

競馬にしてもF1やバイクのレースにしても、いい馬やマシン
とジョッキーやパイロットの関係というのはコンピューター
とエンジニアの関係に似ているところがあって、いいライダー
やドライバーだからこそマシンの性能を高めて、そのいいところ
を引き出して最高のパフォーマンスを発揮することができる。
逆にビギナーに最高級のコンピューターをあてがっても
大したことができないし、スペシャルなコンピューター
エンジニアは初級レベルのマシンに満足できなくて、さらに
いいものを求める。

そう考えると日曜日の武豊というのは、ディープインパクト
という馬のスペックや能力を的確に把握して、すぐれた
戦術をプログラミングして、全てを出し切らずに必要な
時に命令を下して、勝つのに必要なパワーを出力するように
仕向けて、まだ容量を残してパフォーマンスを発揮させた
気がしますね。

もし、あの馬が本気で全速力で走ったら、いったいどれだけ
速くなるのか。武のむちが直線で何度も何度もうたれて
それに応えて走ったらどうなるのか。最高のパフォーマンス
を発揮するのか、容量オーバーでフリーズして壊れてしまう
のか気になるところです。

日本中の競馬ファンの七割以上が単勝馬券の支持をして、
100円買って110円のリターンでもいいと思う馬と
いうのはダービーというレベルのレースであまりに
突出していますが、その競馬ファンの考えが正しかったこと
をよく理解できた日曜の午後でした。

まぁ、競馬の面白いのは、こんな馬の子供だからすごい
だろうと思っても大した子供が出てこなかったり、500万
円の馬から大活躍する馬が出てきたりするような物語性を
何世代にわたって感じることができるところなのですが、
そのことに関しては時を改めて。

コメント