武村正義氏がかつて書いた本に『小さくともキラリと
光る国日本という』という作品があります。当時の小沢
一郎氏が発表した本『日本改造計画』に対するカウンター
パートして出版されたのは間違いないと思うのですが、
このタイトルの秀逸さというのは当時の私に強く印象に
残っています。

その母国が国土は小さくとも、天然資源などなくても
小さくとも光る国であって欲しいと思うのですが、色々
感じることがたくさんあります。

チェコに来て、思うのは周りがドイツと少々離れたところ
にロシアでチェコ人が独立を勝ち取った期間というのはごく僅か。

第一次世界大戦後はフランスとイギリスがチェコスロバキア
という国に血を流すことはなく、ヒットラーが無血入城。
さらに、戦後はソ連の衛星国の地位で、人間の顔をした
共産主義体制をとドプチェック以下当時のチェコスロバキア
首脳部の民主化運動はワルシャワ条約機構軍に押しつぶされ
その後フサークの「正常化運動」によってロシア人に顔色を
伺う共産主義国家になり、ユーロピクニック、ビロード革命
まで長い時間を経ることとなりました。

そんな周りの大国に運命をもてあそばれ、独立を獲るのに
大変な努力や時間を必要とした国にいると国民のある種の
タフさや慎重さ、クレバーさを感じる機会が多いです。

大国の利益が交錯し、入り乱れる中、ヨーロッパ統合という
動きの中でEUメンバーになったチェコの人々に小さいながらも
悲観せず、自虐に走ることなく、国際社会の中で経済的にも
政治的にも筋の通った主張をしていく姿というのを私は
ハベルに感じていましたが(まぁ、前任者が偉大だと
古館伊知郎の後のワールドプロレスリングの実況や星野
監督の後の阪神の監督などどうしても後任は見劣りしますね)
そういった態度が国民から信任される政治家の姿だと
思いますね。

個人的には年寄りと子供が元気な国というのが小さくとも
キラリと光る国だと思いますが、バレンタインデーあたり
からゴールデンウィークあたりまで花粉症に悩まされる人
が多かったり、子供が何かしらのアレルギー疾患にかかって
いたり、年寄りが不安感を感じてばかりいる国というのは
あまりキラリと光る国だと思わない私です。光も影も両方
ある大きな国だとは思います。チェコという国は子供の
アトピーとかアレルギー疾患の患者数は少ないと思うし、
元気ですね。みどりがたくさんあって、家の中だけでなく、
家を出てすぐに走り回れる場所があるというのがその
理由かなという気がしますが。

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