今日発売のイタリアのレース雑誌のmotosprintに中国GPに
参戦しなかったKRKTMのニュースが載っていました。今回は
このことについて触れてみます。

報道によると、KTMのマシンはエンジンの台数がレースウィーク
を送るには足りないだろうから参戦を控えたというものでしたが
同時にロバーツとKTMの関係性にも触れていました。

このチームがミシュランタイヤを使えるようになったのは
市販マシンレベルでのオーストリアメーカーとフランスの
タイヤメーカーの友好関係があったり、イギリス人を使うのは
業界的なイギリス人の偉い人からの要請があったようですが、
基本的にKTMとしてはあまりにもお金が掛かりすぎるMotoGP
クラスに関しては単純にエンジンサプライヤーとしてのみ
参加するというスタンスを通してきました。

ところがお金がかかるがスポンサーを持っていないロバーツが
KTM首脳部に車体の開発費用の負担を求めたところから話が
おかしくなったようです。

この件に関して私はアメリカ人と旧大陸側とのメンタリティの
違いというか文明の衝突を感じましたね。

よくも悪くもアメリカ人は自己主張が強く、思っていること、
何かを得るのに必要なものがないときにその必要性を高いテンション
でアピールします。まぁ、とりわけそんな精神性が世界チャンプ
には強かったりするのですが、自分が欲しいもの、必要なものを
どこに行っても彼らの母国語である英語で相手にとって難しい
リクエストを主張するというのはかなり大陸側のヨーロッパ人に
とって嫌な気持ちを有するような気がしますね。

イタリアやチェコというところにいることが多い私ですが、
国際政治の場面、最近ではイラクに対する派兵などは典型的な
ケースでしょうが、アメリカが有している色々な意味での力を
背景にヨーロッパの小さい国に人やモノを頼む時などに
一般庶民のアメリカに対する嫌悪感や拒否反応というのは強い
と思います。

また、一般の旅行者においてはアメリカ人とイギリス人程外国語
が話せなくて、話そうと思わない、そして母国語のみでどこに
行っても通せばいいと思っている人の数が圧倒的に多い。
英語には多分、『実るほど頭を垂れる稲穂かな』という言葉
はない気がしますね。

イタリアのように観光業が国の産業の三番目というところでは
客を逃がしたくないからお客さんに合わせて話していますが、
本音のところでは圧倒的なパワーを持っていて、どこでも自分たち
の流儀ややり方で通すアメリカ人に対していい印象は抱いていない
はずです。(まぁ、逆にリミニなまりのイタリア語を話す私には
心を開いていると言える。)

旅行したりしていて、アメリカ人の態度には嫌な気持ちを持つこと
が多いです。

そんな私と同じような感情を仮にKTMの首脳陣が抱いていた
としたら今のところテールエンダーであるアメリカ人から
お金に関してミリオン単位のユーロのリクエストを出され、
彼にそれを出しても果たしてすぐにヴァレンティーノ・ロッシを
ぶち抜けるのか保証などありやしないわけで、拒否反応を抱くのは
当然だと思います。

今週、へレスでテストがあるようですが、ライダーはマックウィリ
アムスにウェストというメンバー。レギュラーライダーではない
ライダーでテストをするというところにロバーツとKTMの
ほころびの意味があるように見えて仕方ありません。

アメリカ人の強い自己主張をどこへ行ってもいつでも同じように
やる姿に衝突があった気がする私です。単純にお互いにいい関係で
あって、お金の問題でノーを言っていた可能性もありますが。

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