昨年のシーズン前に報道陣にどんな野球をやるのか質問された
落合監督はあくまでも勝ちにこだわって、勝つけれど見ていて
つまらない野球になると思うというような発言をしていました。
しかしながらこれは私にとっては、全くの嘘っぱちでした。
今回はこのことについて書いてみたいと思います。

落合監督は前述の発言の他にも防御というのは最大の攻撃であり、
うちがやる野球は守備を重点にした野球で、守りを固めることが
最大の攻撃になると話していました。これは私にとって間違いない
真実でしたね。

この落合発言を紙面で目にして、始まった04年のセントラル
リーグのペナントレースですが、色々な意味で面白かったですし、
私がナゴヤ球場からナゴヤドームにホーム球場を移してやって
欲しかった野球を落合ドラゴンズが具現化してくれた一年だった
気がします。

かつて、オリックスブルーウェーブという球団が神戸グリーン
スタジアムという名称の球場を本拠地にして戦っていた時の
ゲームに私は衝撃を受けました。

その当時、まだナゴヤでは中川区で箱庭で野球をやっていた時期
でした。

神戸では、レフトやライトポール際に95メートルほど打球を
飛ばしても単なる外野フライになってしまう。
そんなハードウェアの違いがソフトウェアにも影響していました。

ブルーウェーブの外野陣はイチロー、田口、本西。本拠地の広い
エリアでも走り、守り、投げることで自軍の投手陣を強力にバック
アップしていました。

外野を破られたという当たりが公式記録上は単なるライトライナー
やセンターフライになってしまう。

ランナーが二塁にいてシングルヒットが出ても、三人の強肩が
得点を許さずアウトにしたり、サードコーチャーがストップを
掛けてしまうことになる。

そんな外野守備を見てから、ナゴヤ球場に行って、これが同じ
プロの外野守備なのかと驚き、落胆しました。

そして、その翌年ナゴヤにも広くて人工芝でドーム球場である
ナゴヤドームが出来ましたが、ドーム元年のドラゴンズの外野守備
には失望しましたね。

あれから、年月を経て福留の外野転向。アレックスの加入。
そして厳しいレフトのレギュラー争いという要因が重なり、
そこに落合監督が招かれてメンバー的には前年とさほど変わらない
のですが、最高の外野守備ができあがりました。

何せアレックスがお役御免となり、守備固めに出てくるのが英智
だったりするんだからどれだけ外野守備のレベルが高いのか。

福留がアテネ五輪でいなくなり、復帰後死球を受けて穴が空いた
にも関わらず、ドラゴンズには英智、井上、大西といった外野手
がいて穴を埋めて見せた。

昨年のドラゴンズの野球には相手に一つの得点を許さない、
進塁を防ぐ素晴らしい外野守備という美しいプレーが存在しました。

また、攻撃の面で見ると、イチローほどではないのですが、足の
速いプレイヤーがそろっているので、併殺打が少ない。
ぼてぼての内野ゴロがヒットになる。外野の深いところに飛んだ
当たりが昔のナゴヤ球場でのゲームではシングルヒットになった
のでしょうが、これがツーベースになるケースが多々ありました。
ランナーが一塁に出ると盗塁が見られる楽しみが増えましたね。

そんなこんなで私にとっては昨年やっていたドラゴンズの野球は
エキサイティングで目の離させない野球でした。
決してつまらないけれど勝つ野球でなく、1点差で負けてしまった
試合でも最後まで緊張感を抱いて見ることができるゲームを
見ることができたシーズンでした。

いよいよ野球のシーズンの開幕が近くなり、日本一を目指すという
落合監督がどんな戦いを見せるのか楽しみです。ドラゴンズに
優勝して欲しいと思っているのですが、同じにヤクルトスワローズ
が二位になるなんて予想をできなかった野球ファン、評論家も
多いわけでどんな想定外のことが起きるのか楽しみな私です。

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