怪我で戦線を離れているうちにどんどん素晴らしいプレイヤー
が出てくるテニスの世界で長期故障で離脱したプレイヤーが
再び世界のトップを目指すためにハードなトレーニングを
こなし、活動を再開するプレイヤーがいます。

成功するのか、失敗に終わるかは成績が雄弁に証明してくれ
ますが、キム・クリシュテルスの復帰二大会目にしての優勝
というのは世界中のテニスファンが驚きなき、彼女のファンは
信じられない気持ちを抱きながら喜んだことでしょう。今回は
このことについて触れてみます。

この大会では一回戦から割りにドローに恵まれた展開になっ
たのですが、大会期間中に彼女は泥棒に入られて金銭的にも
ショックを受け、時間的な制約も受け準備不足でコンチータ・
マルチネスとSFでぶつかりましたが、これをフルセットで破り
決勝に進みました。

もう一つのSFというのはダベンポート対シャラポワだったので
すが、これが何とダベンポートが完璧だったのか、シャラポワ
がひどかったのかわかりませんが、ダベンポートがウィンブ
ルドンチャンプを6−0,6−0で片付けて決勝にあがって
来ました。(このことについては時間を置いて書いてみたい
と思います。)

そして、決勝ですが、ダベンポートが好調ぶりを持続して
第一セット4−0とリードして、またもやベーグルかと
思わせたのですが、そこからクリシュテルスが反撃して、
6ゲーム連取して6−4で先制します。

第二セットに入ってからは1−1になってから落ち着きと
集中力を取り戻したダベンポートが第三ゲームを破り
ペースを保って6−4で奪い返します。

ファイナルはクリシュテルスがこの日ダベンポートが不調
だったフォアのエラーに付け込んで先にブレークし、4−1
とリードし、さらにもう一回ブレークに成功し、6−2
で決着をつけました。

この大会を迎える前のクリシュテルスのランキングというのは
133位だったのですが、このティア?大会の優勝者となり
ました。これはティア?大会優勝者の最下ランカーによる
優勝となりました。(それまではイヴァ・マヨ−リが58位
でのティア?大会制覇が最下ランカーによる優勝)

さらに、過去25年のWTAツアー記録における最下ランカー
によるナンバーワンプレイヤーに対する勝利という記録も
つきました。(それまでの記録では99年のウィンブルドン
の一回戦で当時129位だったエレナ・ドキッチが当時の
ナンバーワンのマルティナ・ヒンギスを破ったのが最下
ランカーによるナンバーワンプレイヤーに対する勝利だった。)

というような二つの記録を打ち立てて彼女は最新のランク
では38位まであがることになりました。

彼女の復活はいよいよ本物で、自信というプレイヤーに
必要な栄養素を十分に蓄えて、今シーズンの戦いの舞台に
主役の一人として殴り込みをかけることになりました。

一度落ちたプレイヤーが復活をするというのは肉体的にも
精神的にも大変なことだと思います。ましてや、彼氏との
別れがあったり、怪我との戦いがあり、さらにトーナメント
期間中には泥棒にあうという状況の中で決勝で好調のダベン
ポートと戦い勝ってしまうというのは、本人は信じられない
フィーリングを感じていると話していましたが、世界中の
テニスファンも望外の喜びを感じていることでしょう。

お楽しみはこれからだと世界の列強に宣戦布告した見事な
復活劇でした。

(この文章はwww.wtatour.com
www.datasport.it
www.eurosport.com
www.gazzetta.it などを参考にして書きました。)

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