レコード会社に入社した方々が地道に仕事して
成果を得て、それなりの地位を得た人たちが自分のやり
たいことややってみたかったことを行動に移しているよ
うな感想を抱いたのが80年台のアイドルの復刻盤やベスト盤、
ボックスセットを目にしたときでした。

ここのところの洋楽の80年台リバイバルというのは
主にテレビコマーシャルでオーバー30をターゲットにした
商品の宣伝で流れているところから派生したと思うのですが
アイドル歌謡の復刻盤やベスト盤などは実際の店頭から
発生したレコード会社と販売店とのダブルスチームのような
コンビネーションから生まれた気がします。

今回はこのことについて触れてみます。

今から一年ほど前にTV Brosが牡丹と薔薇の特集を組んでいて
北原佐和子さんと共演者のインタビューが載っていました。

そこに書かれていた年齢というのが、40歳というものでした。

考えてみれば、もうそんな年齢になるんだなと思いましたね。

その現在女優として活動している彼女ですが、実はデビュー
は歌手でした。当時のアイドルがたくさん出る番組に彼女
もたくさん出ていましたが、これといったヒット曲もなく
歌手としての彼女はフェードアウトしてしまいました。

彼女の歌手時代のシングルとカップリングなどが
『北原佐和子コンプリートシングルズ&モア』という
CDになっています。この中のいくつかの曲は試聴もできる
のですが、、、、まぁ、すごいエコーですね。

誰が買うのか、まぁ、彼女のアイドル時代のファンや今の
ファンが買うのでしょうが、このCDを全部一気に聞くと
いうのはかなり精神力が必要とされる気がします。

同じく当たらなかったアイドルということで言うと、
新井薫子も思い浮かぶのですが、彼女のほうは所属レコード会社
のことや彼女自身が現在歌手としては活動をしていないというこ
ともあって(彼女のファンにとっては)残念ながらCD化されて
いません。

そんな下手だけどかわいくて妙に記憶に残っているアイドル
二人ですが、現在の北原佐和子は女優として舞台を中心に
活動しています。一方新井薫子はイラストレーターとして
仕事をしているようです。

歌手としては失敗に終わってしまった。あるいは成功するに
は歌唱力もなかったし、成功するために必要なものが欠けて
いたのですが、だからこそ、北原佐和子は女優としては
大成功したとか大女優とは言えないまでも、ある程度の
地位を収めることができたのではないか。同じことが
現在イラストをKAORUKO名義で書いている新井薫子にも
歌の下手さやセールス数が全盛期のシュテフィ・グラフの
バックハンドスライスのようにどんどん下に下に滑っていく
経験があったからこそ、イラストの世界でそれなりのものを
得たような気がします。

曙というかつての横綱が相撲で勝利や栄冠を得た後、転向
したK1でうまいこといっていないところを見ると、
成功体験や失敗経験がその後の人生に響くことをまともに
感じてしまいます。

まぁ、自分を捨てられることができる人は生命力が
あると私は思うのですが、あの時代の歌手活動のCD化を
許可した北原佐和子にはそれを感じます。新井薫子の
CDも聞いてみたい気がしますが、TDKレコードだったからなぁ。

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