スーパーバイク世界選手権の開幕も一ヶ月を切り、
ココロオドル名古屋人のYasumarzoです。

今回は世界選手権にやってくる新人ライダーのお話。
彼の名前はジャンルカ・ヴィッツィエッロ
(gian luca vizziello)昨年まではイタリア選手権の
SBKとユーロスーパーストック選手権をR1で戦っていた
イタリア人です。

この男と初めて会ったのは2001年のこと。ミラノの
駅で彼が当時所属していたチームの連中と待ち合わせして
いたときに現れて一緒に開幕戦のスペインのヴァレンシア
に行くことになりました。

私のイタリア語というのはそれほど癖のないものなのですが
この男のイタリア語には驚きましたね。SBKもGPにもローマから
南の連中というのはほとんどというか全くいないので、
彼の南イタリアなまりのイタリア語にはひどく驚いてしまい
ました。

それから、この男というのが、まぁ、やんちゃですね。
そして自信の塊のような印象を受けました。これはライダー
としては必要なことなんですけどね。若いときから聞き分け
がよくて力を持っている人に従順な人はライダーとしては
成長するビタミンを有していないと私は思っています。

この彼の一緒にいてエネルギーを使わせる性格というか
元気のよさというのは、スポンサーもなく、これといった
業界的な強い力もない彼にとってなくてはならないものですね。

その彼がイタリアではSBKの国内選手権、ヨーロッパラウンド
におけるSBKでは前座のユーロSTKを活動の場にしていました。
前者では予選の一発の速さを見せ、表彰台も奪える成長を見せ、
後者ではロレンツォ・ランツィ、ミッシェル・ファブリッツィオ
、ウォルター・トルトロッリョ、ジェームズ・エリソンあたり
と他社のマシンが強い時もR1を駆って素晴らしい走りで
戦ってきました。

そして04年、彼の勢いは本物となりタイトルに大きく近づき
ましたが、余興のレースで怪我をしてしまい、タイトルを
取り損ねてしまいました。

しかし、多くの関係者が彼の実力を評価し、05年SBK世界
選手権に乗りなれたR1で出走することになりました。

彼の成長を近い場所で見てきた私です。日本人ジャーナリスト
の多くは彼のことに対して興味を抱いていませんが、私は
彼は才能があると思っています。

ドゥカティ対テンカーテホンダのCBRという図式から
すでに私が書いたようにヤマハ、スズキも活発な動きを
見せ、カワサキも四台体制となりました。
強いバイク、速いライダーがそろった05年シーズンの
SBKですが、マテーラなまりのイタリア語を話すイタリア人が
面白いレースを見せてくれる可能性を感じています。
速く走る才能はあるが、英語を話したりする能力、
セットアップするうえでの分析、解析力が彼には必要ですが、
今年、面白い存在だと思います。

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