すでに新聞やネットで報じられているように、マリア・シャラポワ
がロシア政府が誘致に動いているモスクワ五輪のためのPR活動に
協力することになりました。今回はこのことから想像したことを
書いてみます。

女子テニスの国別対抗戦のフェドカップの決勝の後に、ロシア人
プレイヤーが取材陣に「もし、シャラポワがロシアチームに
入るとしたら。」と尋ねられて「彼女は小さい頃からアメリカに
いてアメリカ人のメンタリティを有しているのよ。」と牽制する
ような発言をしていました。

まぁ、今のトップ10、トップ20にロシア人が半数近くいて
何だか80年台のデビスカップのスウェーデンのようになって
いるので(あの時にはヤリード、エドベリのダブルスが出場
できなかった代わりに出てきたのがヴィランデル、ニーストロム
のウィンブルドンのダブルス優勝ペアだったことがあった)
ライバル意識が強くて、変な緊張関係をもたらしてしまう
シャラポワをあえて使う必要はないと思いますが、
そんなシャラポーバを意識しているロシア人女子プレイヤーに
とってモスクワ五輪のPR活動をシャラポワがやるという
ニュースはどう受け止められたのでしょうか。

旧共産圏というのはオリンピックや国別対抗戦に対する意識が
すごく強いという気がします。そして、国を代表して戦うことに
対して強い誇りが感じられます。

その国で生まれて国を代表して世界一に導いたプレイヤー
でシャラポワ嫌いにとって政府レベルで誘致活動している
モスクワ五輪のPRパーソンにシャラポワが選ばれたこと
をどう感じているのでしょうか。

何で彼女なのかと思っているのかもしれません。いや、きっと
そうだという気がします。

プロレスのマッチメーカーがかつて「仲のいい連中で試合を
やらせてもいい試合にならない。仲の悪いもの同士をぶつける
と憎しみや意地が剥き出しになって、マット上がヒートして
見ているお客さんが喜ぶ熱のこもった試合になる。だから、
戦うレスラーが嫌がるマッチメークをしなければいけない。」
なんて話していたことがありました。

シャラポワがこのPR活動をするというニュースが入って
から私にとってオーストラリアンオープンの興味がさらに
わいてきました。

相手の苦手なところを突いて、相手を弱らせたり、不得手なところ
にボールを運んで自分の有利な態勢にしてたくさんポイントを
取って試合を支配するというテニスというスポーツには
かなり悪魔性を有したスポーツだと思います。

シャラポワ嫌いとシャラポワがぶつかってコートで何が
起きるのか、どんな悪魔性のぶつかり合いになるのか楽しみです。

あと気になったのは私は92年にソウル、97年にバルセロナ
に行ったことがありますが、この二つの都市を歩いてみて
ここは本当にパラリンピックのホストシティだったのかと
バリアフリーとは程遠い設備やシステムに驚きました。
モスクワはパラリンピックをやるのに相応しい町なのでしょうか。
誰かジャーナリストがシャラポワにモスクワが障害者が集う
世界規模のスポーツ大会をやるのにいい町なのか聞いて欲しい
ものです。

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