世界選手権で成功しなかった日本人ライダーのこと
2005年1月13日 スポーツ武石伸也というライダーがスーパースポート世界選手権に
参戦した時期がありましたが、周囲の期待に応えることが
できずにシーズン中途にして、チームを離れました。
そのあたりのことについて今日は書いてみます。
ある日のこと、カストロールホンダのウェアを着たイギリス人
に聞かれたことがありました。
「グランプリの250ccの加藤や中野は日本から世界に
舞台を移しても、十分速くチャンピオンを狙える位置にいるのに
何故武石さんは駄目なのか。」
私の答えというのはいたってノーマルなものでした。
「日本人でとりわけ大きな企業のバックアップでやりたいこと
ができるという環境にあると、そのことに感謝するあまり、
自分が必要なモノ、得たいものがあっても、お世話になって
いる人や会社のことを考えるあまり、遠慮してしまうこと
というのはよくある。武石さんがホンダや多くのサプライヤー
に感謝しているあまり、自分の欲しいものや必要なものを
口に出せないことというのは考えられる。ひょっとして、
ホンダやチームの偉い人と自分が求めるマシンのセットアップ
や走りの方向性が違うとした時に、彼が自分の欲するもの
より、偉い人の考えるいいバイクのセットアップであるとか
開発の方向性を優先して、彼にとって乗りにくいバイクで
走っているなんてことはあるのではないのかな。」
さらに、私は彼の年齢について話しました。
「日本人がヨーロッパの国で過ごすというのは文化も風習も
あまりにも違いすぎて実に難しいことだと思う。イタリア語
がわかる私であっても大変なのに、家庭がある中、こうして
ヨーロッパに来て生活するというのはストレスがあるので
はないだろうか。彼が英語なりドイツ語がどれくらい話せる
かはわからないけれど。」
英語しか話さないイギリス人が納得したような顔を見せていた。
「私が思うに、日本人で世界を目指すなら少なくとも
25歳以下で世界に出ないと難しいと思う。また、私は
英語嫌いだが世界を転戦するライダーが
英語が話せないとレースの現場でも普段の生活でも自分の
言いたいことややりたいことを伝えることができずに
問題ばかり抱えると思う。自分の能力を発揮してやりたいことを
やって生活して、お金や名誉を得たいというのがライダーの
生理だと思う。そんなライダーという人種がマシンを
コントロールして世界で一番になりたいというのに自ら
考えていることを周りに理解してもらえるようにしない
というのはそれだけでストレスを感じることに
なるだろう。イタリアのチームでオールイタリアンで
やるのならともかくマルチナショナルなチームで働くなら
英語が話せないと駄目だと思う。」
後日、会ったこのイギリス人は
「武石さんにはかなりホンダからのプレッシャーを感じていた。
我々としてはできる限りのことをしたけれど、結局実を
結ばなかった。」と話していました。
与えられた道具や体制の中でできうる限りの結果を出さなければ
いけないライダーという職業ですが、単純にバイクを走らせる
以外に日本ではなく世界で走るためのモノやメンタルがなかった
のかなという気がしました。(その真逆がイタリアでレース
ファンに愛された上田昇だと思う。)
武石伸也というライダーは日本で重いバイクを使ったレースで
いいところを走っていたので、CBR600でどれくらい
走るのか楽しみにしていたのですが、非常に残念な結果に
なってしまいました。結果が出ないと周りの連中やスタッフも
若いライダーやヨーロッパ人を求めるので、結局シーズン
途中で他のライダーに場所を譲ることになってしまいましたね。
私が期待している日本人ライダーがいるのですが、英語が
話せなかったら、堅いことも下らないことも話せる英語と
日本語が話せる人の存在が必要だと思います。
イタリア語しか話せないイタリア人ライダーが私を探しだして、
通訳させる貪欲さというか、行動力が日本人ライダーにあるのか
わかりませんが。
参戦した時期がありましたが、周囲の期待に応えることが
できずにシーズン中途にして、チームを離れました。
そのあたりのことについて今日は書いてみます。
ある日のこと、カストロールホンダのウェアを着たイギリス人
に聞かれたことがありました。
「グランプリの250ccの加藤や中野は日本から世界に
舞台を移しても、十分速くチャンピオンを狙える位置にいるのに
何故武石さんは駄目なのか。」
私の答えというのはいたってノーマルなものでした。
「日本人でとりわけ大きな企業のバックアップでやりたいこと
ができるという環境にあると、そのことに感謝するあまり、
自分が必要なモノ、得たいものがあっても、お世話になって
いる人や会社のことを考えるあまり、遠慮してしまうこと
というのはよくある。武石さんがホンダや多くのサプライヤー
に感謝しているあまり、自分の欲しいものや必要なものを
口に出せないことというのは考えられる。ひょっとして、
ホンダやチームの偉い人と自分が求めるマシンのセットアップ
や走りの方向性が違うとした時に、彼が自分の欲するもの
より、偉い人の考えるいいバイクのセットアップであるとか
開発の方向性を優先して、彼にとって乗りにくいバイクで
走っているなんてことはあるのではないのかな。」
さらに、私は彼の年齢について話しました。
「日本人がヨーロッパの国で過ごすというのは文化も風習も
あまりにも違いすぎて実に難しいことだと思う。イタリア語
がわかる私であっても大変なのに、家庭がある中、こうして
ヨーロッパに来て生活するというのはストレスがあるので
はないだろうか。彼が英語なりドイツ語がどれくらい話せる
かはわからないけれど。」
英語しか話さないイギリス人が納得したような顔を見せていた。
「私が思うに、日本人で世界を目指すなら少なくとも
25歳以下で世界に出ないと難しいと思う。また、私は
英語嫌いだが世界を転戦するライダーが
英語が話せないとレースの現場でも普段の生活でも自分の
言いたいことややりたいことを伝えることができずに
問題ばかり抱えると思う。自分の能力を発揮してやりたいことを
やって生活して、お金や名誉を得たいというのがライダーの
生理だと思う。そんなライダーという人種がマシンを
コントロールして世界で一番になりたいというのに自ら
考えていることを周りに理解してもらえるようにしない
というのはそれだけでストレスを感じることに
なるだろう。イタリアのチームでオールイタリアンで
やるのならともかくマルチナショナルなチームで働くなら
英語が話せないと駄目だと思う。」
後日、会ったこのイギリス人は
「武石さんにはかなりホンダからのプレッシャーを感じていた。
我々としてはできる限りのことをしたけれど、結局実を
結ばなかった。」と話していました。
与えられた道具や体制の中でできうる限りの結果を出さなければ
いけないライダーという職業ですが、単純にバイクを走らせる
以外に日本ではなく世界で走るためのモノやメンタルがなかった
のかなという気がしました。(その真逆がイタリアでレース
ファンに愛された上田昇だと思う。)
武石伸也というライダーは日本で重いバイクを使ったレースで
いいところを走っていたので、CBR600でどれくらい
走るのか楽しみにしていたのですが、非常に残念な結果に
なってしまいました。結果が出ないと周りの連中やスタッフも
若いライダーやヨーロッパ人を求めるので、結局シーズン
途中で他のライダーに場所を譲ることになってしまいましたね。
私が期待している日本人ライダーがいるのですが、英語が
話せなかったら、堅いことも下らないことも話せる英語と
日本語が話せる人の存在が必要だと思います。
イタリア語しか話せないイタリア人ライダーが私を探しだして、
通訳させる貪欲さというか、行動力が日本人ライダーにあるのか
わかりませんが。
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