我が愛しのR1と05年スーパーバイクシーズン
2005年1月4日 スポーツ昨年のSBKのレースを見に行った時にワールドスーパー
スポート世界選手権に参戦している藤原克昭君と話をする
機会に恵まれました。
彼のライダーとしての能力は素晴らしい
のですが、マシンのポテンシャルの違いでなかなかホンダ、
ヤマハ勢についていけず、離されてしまっている。道具を使った
スポーツというのはその道具の差が大きく順位に関与して
ライダーの能力は高いのに順位は後ろになってしまう。
その時の彼はまさにそんな状態でした。
その彼が私と話していた時に言っていたのが
「大体、速いバイクというのは見た目もかっこいいモノなんだよ。」
というものでした。
さらにホンダ、ヤマハのパドックで展示されているバイク
(スーパーバイク世界選手権ではパドックパスの入手が
割に楽だったりするし、購入することもできる。)
を指差して、「あのバイクも見た目もかっこいいでしょ。」
と話していました。
それがスーパースポートのカテゴリーのホンダのCBR600
であり、ヤマハのR6、そしてスーパーバイクのR1でした。
今回はこのヤマハのバイクの数多いラインナップの中で
力を入れてPR活動を行い、フラッグシップモデルと位置
付けてられているこのR1についてレースのことを織り交ぜ
ながら書いていこうと思います。
私が昨年の春、プラハで行われたバイクの展示会がありました。
ミュンヘンやミラノ、そして東京モーターショーほどの
規模ではないものになかなか盛況で、各メーカーも力を入れて
PR活動を行っていました。
業界人も結構来ていまして、チェコのスーパーストック
チームの連中も来ていましたし、私が存じ上げている
チェコ人ジャーナリストなども来ていました。
例によってチェコ語で挨拶してイタリア語で会話する私でした。
そんなチェコのバイク市場関係者とバイク好き、レースファンが
来るような場所でひときわ目を引いたのがヤマハのR1でした。
まぁ、とにかくこれはカッコイイ。そして速いだろうなと思わせる
ものがありました。何だかかつてテニスのアンリ・ルコント
のフォームを見て、天才性を感じさせるのに似ている気が
しました。そして私がルコントのテニスの美しさと天才性
にすっかり魅せられてしまったようにR1に惚れてしまいました。
(私はルコントの追っかけをやっていた村上龍ではありませんが)
今年のユーロスーパーストックというのはまさにR1の天下
でした。そして、SBKイタリア選手権というのはグラミーニ
がR1で制しました。SBK世界選手権というのはユニオン
バイクジモータースポーツというチームが参戦していましたが
見るべきものはなかった。しかし、イギリスのレースで参戦した
ジェームズ・エリソンが侮れない速さを見せて、このマシンの
ポテンシャルを示しました。そして、最終戦のフランスでは
ヤマハモーターフランスから参戦したセバスチャン・ジャン
ベールが何と予選初日、二日目とトップタイム。スーパーポール
こそ五番手でしたが、日曜日の第一レース、第二レースは両レース
とも四位という成績でした。
このジャンベールの快走というのは私にとってもうれしいもの
でした。R1というマシンが真価を発揮し美しさと強さを
見せたことがその理由でもありますし、旧知の仲のジャン
ベールがウィナーにはなれなかったもののこの週末のヒーロー
になったこと。そして、ヤマハモーターフランスの開発し続け
てきたことが一つの結晶となったことでした。
このヤマハモーターフランスの技術部門の統括しているのが
ガルシアの親父さんです。
このガルシアという人は非常に業界内での評価が高く、
また好人物で知られています。
誰からも好かれてエンジニアとしての腕も高い。さらに
このフランス人はイタリア語も話す。(ということで
私と彼はフランス語で話して、そこにイタリア人が来ると
イタリア語になる)そんなことで誰からも好かれていますね。
基本性能が高いレベルにあると評されているR1。
優れた能力を有するガルシアによる開発、そしてもう若手とは
言えない年齢になり、今後のレースキャリアを考えると非常に
重要なレースとなったフランスで地の利も活かし素晴らしい
集中力でレースに臨んだジャンベールの力。フランスでの
パフォーマンスはこれらのスーパーミクスチャーだったと
思います。
フランスでの好成績の後日、ジャンベールが05年シーズン
SBK世界選手権に参戦が確定的だといううれしいニュースが
入ってきました。そして、このチームが2ライダー体制で
参加するのではないかと言われ、その候補にアルノー・ヴァンサン、
ランディ・ドュピュニエ、阿部典史の名前が挙がりました。
そんな報道の後、二人のフランス人候補に関しては行き先が
確定しました。そして、阿部が乗ることになったようです。
さらに戦闘力を増すであろうR1。世界選手権フル参戦で
モチベーションも上がるヤマハモーターフランスと
ガルシア。そして、新天地に移って再生を期す阿部。
これは楽しみです。
来季のSBKはR1ユーザーが増えて
最もファンキーな名古屋人の芳賀が初めてR1を走らせる。
今までドゥカティだったボルチャーニがR1でどうなるのか。
イタリアの若手ナンバーワンで今までずっとユーロスーパー
ストックとイタリア選手権のSBKでR1を走らせていた
ヴィッツィエッロがどう立ち向かうのか、R1ユーザー
内のバトル、そしてドゥカティ、ホンダ、スズキ、カワサキ、
ペトロナスのバイクと有力ライダー達。まさに群雄割拠
という感じですが、そんな戦国時代が予想される05年
シーズン、フランスのナショナルカラーのブルーをまとった
R1でガルシアがどんなマジックを見せるのか、阿部が
初のSBKシーズンでどんな走りをするのだろうか。
お楽しみはこれからだ。
スポート世界選手権に参戦している藤原克昭君と話をする
機会に恵まれました。
彼のライダーとしての能力は素晴らしい
のですが、マシンのポテンシャルの違いでなかなかホンダ、
ヤマハ勢についていけず、離されてしまっている。道具を使った
スポーツというのはその道具の差が大きく順位に関与して
ライダーの能力は高いのに順位は後ろになってしまう。
その時の彼はまさにそんな状態でした。
その彼が私と話していた時に言っていたのが
「大体、速いバイクというのは見た目もかっこいいモノなんだよ。」
というものでした。
さらにホンダ、ヤマハのパドックで展示されているバイク
(スーパーバイク世界選手権ではパドックパスの入手が
割に楽だったりするし、購入することもできる。)
を指差して、「あのバイクも見た目もかっこいいでしょ。」
と話していました。
それがスーパースポートのカテゴリーのホンダのCBR600
であり、ヤマハのR6、そしてスーパーバイクのR1でした。
今回はこのヤマハのバイクの数多いラインナップの中で
力を入れてPR活動を行い、フラッグシップモデルと位置
付けてられているこのR1についてレースのことを織り交ぜ
ながら書いていこうと思います。
私が昨年の春、プラハで行われたバイクの展示会がありました。
ミュンヘンやミラノ、そして東京モーターショーほどの
規模ではないものになかなか盛況で、各メーカーも力を入れて
PR活動を行っていました。
業界人も結構来ていまして、チェコのスーパーストック
チームの連中も来ていましたし、私が存じ上げている
チェコ人ジャーナリストなども来ていました。
例によってチェコ語で挨拶してイタリア語で会話する私でした。
そんなチェコのバイク市場関係者とバイク好き、レースファンが
来るような場所でひときわ目を引いたのがヤマハのR1でした。
まぁ、とにかくこれはカッコイイ。そして速いだろうなと思わせる
ものがありました。何だかかつてテニスのアンリ・ルコント
のフォームを見て、天才性を感じさせるのに似ている気が
しました。そして私がルコントのテニスの美しさと天才性
にすっかり魅せられてしまったようにR1に惚れてしまいました。
(私はルコントの追っかけをやっていた村上龍ではありませんが)
今年のユーロスーパーストックというのはまさにR1の天下
でした。そして、SBKイタリア選手権というのはグラミーニ
がR1で制しました。SBK世界選手権というのはユニオン
バイクジモータースポーツというチームが参戦していましたが
見るべきものはなかった。しかし、イギリスのレースで参戦した
ジェームズ・エリソンが侮れない速さを見せて、このマシンの
ポテンシャルを示しました。そして、最終戦のフランスでは
ヤマハモーターフランスから参戦したセバスチャン・ジャン
ベールが何と予選初日、二日目とトップタイム。スーパーポール
こそ五番手でしたが、日曜日の第一レース、第二レースは両レース
とも四位という成績でした。
このジャンベールの快走というのは私にとってもうれしいもの
でした。R1というマシンが真価を発揮し美しさと強さを
見せたことがその理由でもありますし、旧知の仲のジャン
ベールがウィナーにはなれなかったもののこの週末のヒーロー
になったこと。そして、ヤマハモーターフランスの開発し続け
てきたことが一つの結晶となったことでした。
このヤマハモーターフランスの技術部門の統括しているのが
ガルシアの親父さんです。
このガルシアという人は非常に業界内での評価が高く、
また好人物で知られています。
誰からも好かれてエンジニアとしての腕も高い。さらに
このフランス人はイタリア語も話す。(ということで
私と彼はフランス語で話して、そこにイタリア人が来ると
イタリア語になる)そんなことで誰からも好かれていますね。
基本性能が高いレベルにあると評されているR1。
優れた能力を有するガルシアによる開発、そしてもう若手とは
言えない年齢になり、今後のレースキャリアを考えると非常に
重要なレースとなったフランスで地の利も活かし素晴らしい
集中力でレースに臨んだジャンベールの力。フランスでの
パフォーマンスはこれらのスーパーミクスチャーだったと
思います。
フランスでの好成績の後日、ジャンベールが05年シーズン
SBK世界選手権に参戦が確定的だといううれしいニュースが
入ってきました。そして、このチームが2ライダー体制で
参加するのではないかと言われ、その候補にアルノー・ヴァンサン、
ランディ・ドュピュニエ、阿部典史の名前が挙がりました。
そんな報道の後、二人のフランス人候補に関しては行き先が
確定しました。そして、阿部が乗ることになったようです。
さらに戦闘力を増すであろうR1。世界選手権フル参戦で
モチベーションも上がるヤマハモーターフランスと
ガルシア。そして、新天地に移って再生を期す阿部。
これは楽しみです。
来季のSBKはR1ユーザーが増えて
最もファンキーな名古屋人の芳賀が初めてR1を走らせる。
今までドゥカティだったボルチャーニがR1でどうなるのか。
イタリアの若手ナンバーワンで今までずっとユーロスーパー
ストックとイタリア選手権のSBKでR1を走らせていた
ヴィッツィエッロがどう立ち向かうのか、R1ユーザー
内のバトル、そしてドゥカティ、ホンダ、スズキ、カワサキ、
ペトロナスのバイクと有力ライダー達。まさに群雄割拠
という感じですが、そんな戦国時代が予想される05年
シーズン、フランスのナショナルカラーのブルーをまとった
R1でガルシアがどんなマジックを見せるのか、阿部が
初のSBKシーズンでどんな走りをするのだろうか。
お楽しみはこれからだ。
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